-------------------------------------------------------------------------- |
Those who bring peacefulness to the world where it was tired |
うみのイルカ。 職業―中忍。アカデミー教師。 この仕事は好きだ。 それに間違いは無い。 しかし 好きな仕事だから”疲れない””辛く無い”ということは無いのだ。 それを思い知るくらいには大人になってしまった。 ―――特に、今日の様な日には。 ここ最近アカデミーの雑用が増え日々を多忙に過ごし 更に三代目たっての要望により受付業務までこなし (能率の関係らしいが、本職が忙しい時期には結構きつい) いくらなんでも業務過多で、身体は正直なもので疲労困憊…な所に 「やっぱり忍者になるのは諦めました。」とあっさり生徒に告げられ アカデミーを去っていくのを見送る役目をしなければならなかった日には いくら心で強がりを言ってみたって かくんと力が入らなくなって、身動きひとつ出来ない気分になる日も人生にはある。 「…あーあ…なんだかなぁ…疲れたのかなぁ俺…」 身体は疲れているのに、心と頭が上手く連動しない。 身体の中で地震でも起きたかの様にぐちゃぐちゃした気分が渦巻いている。 休みたいのに休めない。 仕事は有るし、期待されてそれを無視出来る様な大物であるわけも無く。 疲れた。 こんなときは…ちょっと位人に甘えても良いだろ? そう思う。 それでも明日の業務に差し支えないように残業をこなし、家に帰る。 家では銀色の髪をした上忍が待っているのを知っているからだ。 「おかえり。イルカせんせ。」 穏やかな優しい声。 この人はこういう俺を敏感に察知する。 普段は飄々として掴み所がない様な雰囲気なのに こんな日には必ず穏やかな優しい雰囲気を漂わせてくれる。 「カカシさん…ちょっとすみません。」 ―――甘えさせて…。 こんな俺にもこの世に一人くらい甘えさせてくれる人が居たっていいだろ? そう思って彼に抱きつくと 彼は黙って きつ過ぎず、しかし緩過ぎない力加減で抱きしめ返してくれる。 そうして彼に甘やかされていると 今までごちゃごちゃしていたモノが すとんと、正しいところに収まっていくような気がするのだ。 ―――落ち着く…。 今までの嵐が嘘のように 世界は平穏に満ちてくる。 穏やかで…暖かさすら感じさせる。 それは世界が彼の雰囲気に染められていくかの様に。 心の中に染込むように この人が好きだと 感じる。 この人が居てくれるから 明日も俺は”イルカ先生”になれるのだ。 それは確信。 この手が無くては乗り越えていけないと思う事もある。 彼が思う以上に 俺が思う以上に 俺はきっともうこの手を離せなくなっている。 |
-------------------------------------------------------------------------- |
20040823 私の願望そのまま。 好きな仕事でも疲れるものは疲れる。 こんな男が居たら私は幸せなのになぁ。 きっと世界は薔薇色だろうな。と 思うがままに書いてみました(苦笑) 挿絵はまた後日…必ず(泣) |